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物語を愛するすべてのひとたちへ-小説すばる

2019年4月号 小説すばる

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【新連載】湊かなえ「カケラ」

松井玲奈『カモフラージュ』
刊行記念インタビュー
「"わたし"から切り離された世界を」

   物語を考える原点

――『カモフラージュ』は小説に初挑戦されたと思えないほど、粒ぞろいの短編集に仕上がっています。女優として活躍している松井さんが、小説を書くことになったいきさつから教えてください。

松井 周りの人たちの勧めもあって、ファンクラブの会報誌にショートショートを書いたんです。そのショートショートがきっかけで「小説すばる」に短編小説を、というお話をいただきました。思ってもない展開で私もびっくりしたんですけど、文章で表現することはもともと好きで、書評やエッセイを書いた経験はあったので、書けるのなら書いてみたいと思ってお引き受けしました。

――最初に書いたショートショートはさらっと書けたんですか。

松井 私、ショートショートを知らなかったんです(笑)。短編よりも短い小説があるんだってことを。それで、ショートショートを書いている作家さんを教えてもらって、勉強するところから始めました。ベストショートショートみたいな本を買って。こんな短い中に驚きのある設定と起承転結とを考えなきゃいけないんだ、難しい! と思いました。

――思いつくままではなく、既存の作品を読んで学んでから書かれたのですね。もともと下調べをしたり、事前に準備をしたりするタイプなんですか。

松井 そうだと思います。あまり意識したことはないですけど。前もって情報を知っておいたほうが何か起きても安心、みたいな。今回の短編を書く際も、本棚にある短編小説を読みなおしたり、新刊の短編集を買って、この作品ってどういう風にできてるんだろうと考えながらたくさん読みました。

――依頼を受けてから何作も書いて、試行錯誤を経て掲載に至ったそうですね。こんな話を書こう、と考えるのは苦ではないんですね。

松井 そうですね。こういう小説があったら面白いなと考えること、イメージすることはすごく好きです。子どもの頃、母が絵本を読んでくれた後に、この話はこの後どうなったでしょう? という遊びをよくしてくれたんです。物語は終わったけど、この後、どうなったら面白いか、どういう展開があるかを考えるのが癖になっていて。たぶん、それが原点ですね。短編を書くときも、日常の中で気になったこととか、こういうことが起きたら嫌だなというところから、どう話を膨らませていったら小説になるんだろう、と考えていきました。

(続きは本誌でお楽しみください。)

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